LC1は、非常に単純化されたエレメントで、椅子としての機能を構成したコルビュジエの家具デザインを代表する傑作です。”自由に動く背を持つ椅子”として世界的に有名で、その幾何学的なイメージの持つ斬新さは現代においても、人々の美意識を魅了してやまない完成度を誇っています。椅子としての快適な機能性は、リクライニングする背部と自由に回転する肘あての革ベルトにもたせてあり、金属パイプの接合による骨組みには建築的な志向が読み取れます。
コルビジェのLC-1 バスキュラントチェアは、コルビジェが建築に対して抱いていた概念をそのまま盛り込んだ作品といえます。水平・垂直・直角・回転(背・肘)という要素を含んでいてポニースキン(毛皮)は、目の方向まで計算し作られた作品です。
この椅子もチャーチ邸の為に作られたデザインで、コルビジェは、後にLCシリーズの量産化へ向けてプジョー社へ依頼に行ったのですが、30分で決裂した逸話も残っています。結局、曲げ木家具で有名なトーネット社が生産を請け負う事になったのです。椅子の基本形は、その頃の既成の椅子からヒントを得たとされていますが、完成度を高めアトリエの所員であるペリアン達との理想を追求した仕事振りがうかがえる作品です。
ニューヨーク近代美術館コレクション(1928年)
※ポニー毛皮は自然素材を用いています。色・柄が画像とは異なりますので、あらかじめご了承ください。
|